自動車のEMC対策は重要な課題に進展!めっきによるノイズ対策をご提案します

自動車 EMC対策 走行中イメージ

自動車のEMC対策はメーカー各社の重要な課題です

自動車のEMC対策は、自動車の安全性や信頼性の確保のため重要な課題のひとつであり、自動車メーカー各社で取り組んでいます。

近年、自動車は高機能化・利便性の向上など急速に進化しています。ETCやGPS搭載のカーナビ、自動ドア、追従型クルーズコントロール、自動ブレーキなど、多くの機能を搭載し、ますます便利で快適な乗り物となりました。今後も自動運転技術などドライバーをサポートする機能や、EV車、IoTの技術導入などによる進化が予想され、新しい自動車の姿に期待が集まります。

自動車 EMC対策 EV車イメージ

しかし、これらの性能の向上が期待される一方で、電子機器から発せられる電磁波ノイズは自動車の安全性を脅かす存在であるため、対策が求められています。

電磁波ノイズとは電子機器から発せられた不要な信号のことで、ノイズが他の機器に干渉すると誤動作や故障などを引き起こし、トラブルの原因となります。

自動車は性能の向上と同時に電子機器の搭載数が急速に増えているため、電磁波ノイズの影響から電子機器を守り、ユーザーの安全性、信頼性を確保する電磁波ノイズ対策(EMC対策)は非常に重要であり、喫緊な課題のひとつといえるでしょう。

このコラムでは、自動車におけるEMC対策をテーマに、電磁波ノイズが自動車に与える影響や、EMC対策、そして当社の電磁波シールドめっき技術についてご紹介します。EMC対策について課題がありましたら、是非ご参考ください。

EMC対策とは

最初にEMC対策とはどのような意味があるのか、ということについてご紹介しましょう。

EMC対策は電磁両立性のことを指します。電子機器が他の機器から発生したノイズの影響を受けさせないことをEMI、また電子機器から発生したノイズが他の機器に影響を与えないことをEMSといい、EMCはこれらの性能を両立させたものとなります。

自動車 EMC対策 図解

冒頭でも触れましたが、近年の自動車は搭載されている電子機器の数が増えており、密集している状態です。また、車載LANが張り巡らされており、車内は想像以上に過酷な電波環境にあります。このため、EMIやEMSのどちらかではなく、両立させたEMC対策が重要なのです。

EMC対策は自動車の安全性を高めるために、必要不可欠な存在と言えるでしょう。

電磁波ノイズによって引き起こされる問題とは

電磁波ノイズによって引き起こされる問題には、どのようなトラブルが考えられるのでしょうか。

自動車 EMC対策 車体

ひと昔前の出来事ですが、外部からの電波によって制御系システムに障害が起こり、AT車が急発進・急停車などの不具合を起こすトラブルがありました。過去の事例ではありますが、電磁波ノイズが自動車の安全性に重要な影響を与えることを示しています。

現代の自動車にはドライバーの運転支援となる機能が多数搭載されているため、電磁波ノイズの干渉はユーザーの安全を脅かす存在と言えるでしょう。

また、GPS搭載のカーナビやETCシステム、ドライブレコーダーなど電波を利用した機器も多く搭載されているため、ノイズの影響を受けると安全性だけでなく利便性への影響も考えられると言えるでしょう。

自動車におけるEMC対策

自動車のEMC対策についてご紹介します。自動車に搭載される電子機器の数は増えており、集積密度が高いため、EMC(電磁両立性)の設計と対策の必要性が日に日に増しています。

自動車の頭脳であるECU、ミリ波レーダーや車載カメラといった電子機器のほか、スイッチング方式の電源回路(コンバーター)や新しい車載ネットワークであるEthernetなどにもノイズ対策が求められます。

このように多種多様な機器があり、発生する電磁波の種類も様々ですので、電磁波ノイズの発生源となる電子機器や周波数帯に適したEMC対策を行うことが大切です。

ECUや車載カメラなどの電子機器へのノイズ対策として、電子機器を金属製のハウジング、ケース等で覆い、電磁波ノイズを遮断する方法が一般的でした。金属は自由電子を持っているため、電磁波を反射・吸収する性質があるのでシールド効果を得る目的としては最も適している素材といえます。

自動車 EMC対策 ノイズ 反射 吸収

しかし、金属は自動車の重量を増加させ、燃費効率を低下させるほか、高コストな点がデメリットとしてあります。これはEMC対策の部品に限らず、自動車に搭載されている多くの部品に当てはまります。

金属にはこのようなデメリットがあることから、自動車の軽量化による燃費改善を目的に様々な部品の素材を金属からプラスチックへ移行する動きが加速しています。

自動車 EMC対策 車内

しかし、EMC対策という視点で見ると、プラスチックそのものは導電性がないため、電磁波を反射・吸収する性質はありません。このため、プラスチックをEMC対策に用いる場合には、導電性を与えてシールド効果を持たせる必要があります。

プラスチック部品にシールド効果を持たせる方法として、電磁波シールドめっきのほか、導電性塗料や導電性樹脂、電磁波シールドフィルムなど、プラスチックに導電性を付与したシールド材が挙げられます。

電磁波を遮断したい自動車の部品や場所、環境によって適切なシールド材を選択し、EMC対策として活用されています。

塚田理研の電磁波シールドめっきについて

塚田理研の電磁波シールドめっきについてご紹介します。

電磁波シールドめっきとは、めっき技術を応用した技術です。不導体であるプラスチックにめっきを施すことで金属と同等の高いシールド効果を得られ、EMC対策と軽量化を実現します。

例として2μmのめっきは、ステンレス製の板1mmと同等のシールド効果が得られます。このように、非常に薄いめっき膜で高いシールド効果が得られるため、寸法精度が求められる部品にも適しています。

複雑な形状にも加工ができるため「完成されたシールド方法」として、自動車を含む多岐にわたる分野で利用されています。

自動車 EMC対策 加工事例

当社、塚田理研はプラスチックめっきを専門にするメーカーであり、電磁波シールドめっき分野において豊富な経験があります。自動車におきましては、車内外装へのめっき(加飾めっき)のほか、電磁波シールドめっき(機能めっき)などの加工に対応しており、幅広くご相談頂けます。

電磁波シールドめっきの詳細や効果についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

電磁波シールドをプラスチックめっきで!高いシールド効果と軽量化を実現する技術を紹介

ここでは、めっきによる電磁波シールドのメリットや、当社のめっき技術についてご紹介します。

EMC対策、熱対策、軽量化に貢献

電磁波シールドめっきは、EMC対策や製品の軽量化だけでなく、熱問題にも貢献します。

熱対策は電子部品が性能を充分に発揮し、トラブルを防ぐためにも重要な対策のひとつです。プラスチックに放熱性はありませんが、めっきに銅を使用する事で、プラスチックに導電性だけでなく、高い放熱性も与えることができます。
(銅めっきの上に防錆としてニッケルをめっきすることで、耐食性の付与も可能です。)

このように、電磁波シールドめっきはEMC対策や製品の軽量化だけでなく、多くの電子部品が抱える熱問題にも対応する事ができます。防ぎたい周波数帯、求める機能性などに応じて最適なめっきをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

【事例】難めっき材に電磁波シールドめっきを施した車載部品
自動車 EMC対策 加工事例

事例の詳細はこちら

高度なめっき技術で自動車のEMC対策を実現

自動車の内部は振動に加え、激しい温度変化が起こる過酷な環境であり、使用する部品には耐久性や耐熱性が要求されます。つまり、高温に耐えられないプラスチックは自動車の内部に使用する事はできません。

このため、過酷な環境での使用が見込まれる場合には、耐久性に優れた特殊なプラスチック(エンプラ、スーパーエンプラなど)を使用します。

しかし、特殊なプラスチックは通常の方法ではめっきができないため、特別な前処理が必要となります。このため、特殊なプラスチックへのめっきに対応できるメーカーは限られています。

当社塚田理研は、特殊なプラスチックへのめっき技術を確立しており、エンプラ、スーパーエンプラへのめっきは国内最大規模を誇っております。量産体制を構築する事も可能ですので、自動車内部部品をはじめ、耐久性や機能性が求められる部品の電磁波シールドめっきのご相談に対応する事ができます。

【事例】消防自動車への電磁波シールドめっき
自動車 EMC対策 加工事例

自動車の電磁波ノイズ問題をめっきで解決!EMC対策のご相談は当社まで

自動車の電磁波ノイズ問題(EMC対策)のことでしたら当社にご相談ください!

今回のコラムでは、自動車におけるEMC対策についてご紹介しました。機能や利便性が加速する自動車は、同時に電磁波ノイズによる電子機器への干渉が懸念されており、各社対応に迫られています。

自動車は多くの電子機器が搭載され、移動する乗り物であるため、内部は過酷な環境(電磁波ノイズ、振動、激しい温度変化等)であり、EMC対策品にはこのような環境に耐えられる必要があります。

当社では、このような過酷な使用環境に耐えられる特殊なプラスチックへの電磁波シールドめっきに対応しており、自動車のEMC対策だけでなく、製品の軽量化、熱対策にもご活用いただけます。

自動車のEMC対策、軽量化などでお困りになる事や課題がありましたら、プラスチックめっきの塚田理研までお気軽にご相談ください。巧みなめっき技術、長年培ってきたノウハウにてお客様の課題を解決する方法をご提案いたします。

【お問い合わせ先】
本社:0265-82-3256
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