
金フラッシュとはどのような表面処理かを解説
金フラッシュは、プリント基板や電子部品の表面処理として広く採用されている、極薄の無電解金めっきのことです。
酸化防止や表面保護、はんだ付け性の向上などを主な目的としているほか、装飾目的で用いられることもあります。
また、比較的低コストで実施できる表面処理であるという点も、金フラッシュが広く採用される理由の一つです。
ここでは、金フラッシュがどのような表面処理か、プリント基板へのめっきの実績が多数ある当社が、詳しく解説していきます。
金フラッシュとは極薄の金めっきを施す表面処理
金フラッシュは、基材表面に極めて薄い金の皮膜を形成する表面処理です。その名称の「フラッシュ」は、瞬間的に薄い膜を形成するというイメージに由来しています。
金フラッシュの膜厚は、アメリカのASTM B488規格で0.25未満と定義されますが、実際には0.01μm~0.07μm程度が主流です。これは髪の毛の太さの1000分の1以下という極めて薄い膜であり、下地めっきの色調が透けるほどです。
そのため、銅やニッケルなどの下地めっきの色調を損なうことなく、金の特性を付与できるというメリットもあります。
なお、塚田理研では、0.01~0.07μmの金フラッシュの実績がございます。
酸化防止・はんだ付け性向上などを目的とする
金フラッシュが採用される主な目的は、基材表面の酸化を防ぎ、はんだ付け性を向上させることです。
基材が銅などの酸化しやすい素材の場合、表面に酸化皮膜が形成され、電気的接続性が低下したり、はんだ付け性が損なわれたりします。
金自体は酸化しないため、金フラッシュを施せば、基材が酸化しやすい場合でも表面の状態を安定して維持することが可能です。
また、金ははんだとの親和性が高く、はんだが均一に濡れ広がりやすいという特性もあり、接合の品質も安定させられます。プリント基板など、高精度なはんだ付けが求められる際にも、金フラッシュは役立ちます。
比較的低コストでの表面処理が可能
金フラッシュは、金使用量が一般的な電解金めっきより少なく、コストカットができるという特徴もあります。
金フラッシュの皮膜は極めて薄いため、一般的な電解金めっき(0.5μm以上)と比較して金使用量を大幅に抑えることが可能です。
金の価格高騰が続く近年では、めっき層の厚さが材料費に直結するため、この使用量の差は製造コストに大きく影響します。とくに大面積の基板や量産品では、表面処理のコスト差が顕著になるでしょう。
ただし、繰り返しの接触が想定される用途や、長期的な耐久性が求められる用途では、薄膜の金フラッシュは不向きです。製造時のコストと長期的な信頼性のバランスを考え、適切な表面処理方法を選択することが大切です。

金フラッシュと電解金めっきの違いとは
金フラッシュと電解金めっきは、どちらも金を用いた表面処理ですが、膜厚や処理方法において大きな違いがあります。
- 膜厚の違い
金フラッシュは0.01μm~0.07μm程度の極薄膜であるのに対し、電解金めっきでは一般的に0.5μm以上、用途によっては数μmの厚い金層を形成します。
- 処理方法
金フラッシュは化学反応を用いた無電解めっきで処理されるため、基材全体に均一な薄膜を形成することが可能です。
一方、電解金めっきは電流を利用して金を析出させるため、膜厚の均一性の面では無電解めっきに劣ります。一方、電解金めっきのほうが厚みを出せるというメリットもあります。
このように、双方はどちらが一概に優れている、劣っているというわけではなく、目的に応じて使い分けることが大切です。
金フラッシュのメリット・デメリットとは
金フラッシュは、金めっき皮膜を極めて薄く形成する表面処理であり、基材の用途や使用条件によって評価が分かれる特性を持っています。コストを抑えつつ表面保護や実装性を確保できる一方で、耐久性や信頼性の面では制約も存在します。
そのため、ほかの表面処理と同様に、特性を十分に理解したうえで採用するかどうかを判断することが大切です。
ここでは、金フラッシュの基本的な特性を踏まえ、どのような点がメリットとして評価され、どのような点が注意すべきデメリットとなるのかを解説します。
金フラッシュのメリットとは
金フラッシュの主なメリットは、酸化防止、表面の平滑性、コストの三つです。
- 酸化防止
金は化学的に非常に安定した金属です。極薄であっても基材表面を覆うことで銅などの酸化皮膜の形成を抑制でき、実装時のはんだ付け性の低下を防ぐ効果があります。短〜中期保管を前提としたプリント基板では、十分な酸化防止性能を発揮します。
- 表面の平滑性
金フラッシュは極薄の膜であるため、表面の凹凸が少なく、高い平滑性を保てます。このメリットは微細ピッチ部品や高密度実装が求められるプリント基板において、実装精度の向上につながります。
- コスト
金フラッシュは金使用量が一般的な電解金めっきと比べて少ないため、材料費を大幅に削減できます。酸化防止や表面保護が主な目的であり、耐摩耗性が不要な用途では、性能とコストのバランスがいい表面処理といえるでしょう。
金フラッシュのデメリットとは
金フラッシュのデメリットは、主に極薄の皮膜であることに起因します。
金フラッシュは先述のとおり膜厚が極めて薄いため、機械的接触や摩耗に対する耐久性がほとんどありません。
コネクタの接点部分のように繰り返し抜き差しがおこなわれる用途などでは、金フラッシュの薄膜が早期に摩耗し、下地めっきや素地が露出してしまいます。これらが露出すると酸化が進行し、接触抵抗の増加や信頼性の低下につながるおそれがあります。
耐摩耗性が求められる製品においては、電解金めっきによって皮膜を厚くしたり、別の金属のめっきを取り入れたりする対策も必要です。

塚田理研はプリント基板への金フラッシュに対応しています
塚田理研では、プリント基板への金フラッシュの対応実績がございます。最先端の技術と設備を完備し、微細なプリント基板へのめっき処理に関する技術開発に取り組んでまいりました。
金フラッシュにおいては、0.01~0.07μmまで、お客様のご要望に応じた表面処理への対応が可能です。
また、当社では、バーコード管理による完全自動制御により品質を安定させ、大量生産から少量多品種まで、柔軟な生産体制を構築しています。プリント基板への表面処理に関する課題は、以下フォームより当社へお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
本社:0265-82-3256
東京営業所:042-444-1287
刈谷オフィス:050-6868-2912
お問い合わせフォームはこちら
※個人のお客様からのご依頼は、ご要望に沿いかねます。
