CFRPにめっきは機能(導電性・耐候性・耐熱性など)を付加し、用途拡大を実現

CFRP めっき 加工 事例

CFRPへのめっきで機能向上し、素材の課題を解決

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は軽量且つ高強度な素材として、航空機の機体や自動車の構造部品、さらにはゴルフクラブや釣り竿などのスポーツ用品にも広く使われています。

今後ますますの用途の拡大が期待されるCFRPですが、導電性や耐候性、耐摩耗性や耐熱性といった機能が求められる用途では、課題となることも少なくありません。
そこで注目されているのが、CFRPに金属の特性を付加できる「めっき」です。

塚田理研では、CFRPへのめっき技術を確立しており、安定した品質のめっき加工をご提供しています。また、CFRPへの六価クロムフリー工法や、リサイクル炭素繊維(rCF)への対応など、環境負荷の低減や資源循環にも配慮しためっき技術を提供しています。

CFRP めっき 加工 事例

このコラムではCFRPの基本情報や、CFRPへのめっきについてご紹介します。モノづくりのご参考に、ぜひご覧ください。

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)とは

CFRPは複合材の一種で、母材(マトリックス樹脂)に熱硬化性樹脂、強化材として炭素繊維を複合した繊維強化樹脂です。

CFRPは母材の種類によって、特性が異なるCFRPを作り出すことができます。母材の例としてはフェノールや不飽和ポリエステルなどの樹脂が挙げられますが、その中で最も汎用的に使われているのはエポキシ樹脂とされています。

(※炭素繊維強化プラスチックは、母材に熱硬化性樹脂を使用するCFRPのほかにも、熱可塑性樹脂を使用するCFRTPもあります。)

炭素繊維が持つ強度、剛性をはじめとした特性に加え、プラスチックならではの軽さ、腐食をしない性質を活かし、航空機の構造材や自動車部品、医療、建築など、さまざまな用途で活用されています。

CFRPの特長

CFRPの特長は以下の通りです。

  • 軽い(鉄鋼材の約1/5、アルミ材の約1/2の軽さ)
  • 高剛性、高強度
  • 腐食しない
  • X線透過性に優れる
  • 自己潤滑性に優れる
  • 低熱膨張性に優れる
  • 耐薬品性に優れる
  • 成形しやすい(大型化・小型化が可能)

また、CFRPは異方性材料であり炭素繊維の配向の変更が可能で、必要な方向に対する強度や剛性をもたせる設計が可能です。

高強度、高剛性など炭素繊維が持つ優れた特性と、樹脂が持つ軽量性や成形しやすさとを組み合わせることで、金属代替による製品の軽量化や形状の自由度向上、また複数部品を一体化による製造効率の向上など、CFRPは多くのメリットを生み出しています。

ただし、屋外での使用が見込まれる場合は品質が劣化する可能性があり、また導電性に劣るため、用途や使用環境によっては、めっきやその他の表面処理が必要となります。

塚田理研はCFRPへのめっきに対応!製品の軽量化、機能の向上を実現

これまでご紹介した通り、CFRPは数多くの優れた特性があり、幅広い用途で活用されていますが、耐候性や耐熱性、耐摩耗性や導電性などの機能面において弱点もあるため、用途によっては課題となる場合があります。

このような課題を解決する手段としてめっきがあります。めっきで金属の特性をCFRPに付加することで、CFRPの課題を解決し、CFRPの用途を拡大することが可能になります。
実際に、CFRPは航空宇宙や発電機、自動車分野、スポーツ用品といった幅広い分野のCFRP製の製品にめっきが活用されています。

CFRP めっき 加工 事例

当社、塚田理研はプラスチックめっきを専門としたメーカーで、CFRPへのめっきにも対応しています。長年積み重ねてまいりました加工実績とノウハウで、さまざまな用途に最適なめっきプロセスのご提案が可能です。

金属代替による製品の軽量化、CFRPへの機能の付与、製造コストの低下など、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

rCF(リサイクル炭素繊維)へのめっき技術も提供可能

CFRPの材料として使われる炭素繊維は、軽量かつ高強度という特性から非常に優れた素材ですが、リサイクル性に課題がありました。

従来のリサイクル技術では、炭素繊維の回収時に毛羽立ちや粉末が発生し、再生されたrCF(リサイクル炭素繊維)はCFRP(バージン材)と比較して強度が大きく低下してしまうことが多いなどの課題がありました。

実際、従来のrCFは通常のCFRPの約60%程度の強度しか得られず、加えて価格面でも大きなメリットが出せないという理由から、十分に普及していませんでした。

このような状況の中、塚田理研はパートナー企業とともに、通常のCFRP材と同等の強度を持ち、かつ直接めっきが可能なrCFの実用化に成功しました。さらにrCFの材料コストを10〜20%削減し、これまでの課題であったコスト面においても大きく改善しております。

CFRP めっき rcf リサイクル炭素繊維

rCFの詳細はこちら>>

塚田理研はCFRPの循環利用を後押しし、持続可能なモノづくりをめっきでサポートいたします。rCFの活用をご検討、また詳細につきましては当社までお問い合わせください。

環境にやさしい工法でのめっきに対応(六価クロムフリー工法)

CFRPにめっきを行う場合、従来は前処理で六価クロムによるエッチングを行う必要がありました。(エッチングは、樹脂表面を粗化し、めっきを密着させるための重要な工程です。)

しかし六価クロムは毒性が強く、RoHS指令などの規制対象であり、環境保全の観点からも使用そのものを避けられる傾向にあります。

六価クロムの毒性について>>

こうした低環境負荷のニーズに応え、塚田理研は六価クロムを使用しないめっき工法を開発、提供しております。具体的にはエッチングに六価クロムではなく、過マンガン酸やオゾン水(改質水)を用いた工法にて対応しております。

また、表層のクロムめっきも三価クロムによる低環境負荷の加工が可能です。六価クロムを使用しない専用生産ライン「クロムフリーライン(Eライン)」も整備しており、量産対応も可能です。

CFRP めっき クロムフリーライン Eライン

六価クロムの代替技術について>>

環境保全への意識が高まるなか、持続可能な技術へのニーズは世界的に拡大しています。塚田理研では、低環境負荷な工法によるめっき加工に対応しておりますので、グリーン調達などでお困りの際はお気軽にご相談ください。

CFRPへのめっきのご相談はプラスチックめっきの塚田理研まで

CFRPは軽量かつ高強度という優れた特性がありますが、耐候性や導電性といった機能が要求される場合にはめっきが有効です。

塚田理研はCFRPへのめっきにも対応しており、用途に最適なめっきプロセスのご提案が可能です。また、rCFへのめっきやクロムフリーにも対応しております。

プラスチックめっきメーカーである当社はCFRPはもちろん、エンプラやスーパーエンプラなどの難めっき材へのめっきにも対応しており、用途や使用環境に最適なめっきのご相談も承っております。

CFRPやrCFへのめっきに関するご相談、ご質問がございましたら、以下の窓口までお気軽にご相談ください。

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本社:0265-82-3256
東京営業所:042-444-1287
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