プリント基板への金めっきの目的とは?種類や用途を解説

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プリント基板への金めっきの目的を解説

プリント基板に金めっきを施す目的は、単なる表面保護だけではありません。電気的特性の向上、化学的安定性の確保、実装品質の安定化という三つの観点から、金めっきは重要な役割を果たしています。

プリント基板への表面処理方法は、金めっきのほかにも複数あります。そのなかでも金めっきがとくに優れている理由を理解すれば、表面処理方法の選定の際に役立つでしょう。

本記事では、プリント基板へのめっき実績が多数ある塚田理研が、金めっきの目的や種類、用途などを詳しく解説いたします。

導電性と接触信頼性を高めるため

金は酸化皮膜が形成されにくいという特性を持っています。そのため、プリント基板に金めっきを施すことで、長期間にわたって接触抵抗を低くすることが可能です。

極めて小さい信号を扱うプリント基板では、わずかな接触抵抗の変動が測定精度や信号の品質に影響します。酸化しやすい素材でめっきを施した場合、表面の酸化が進むと接触抵抗が増加し、信号品質の低下や誤動作につながる恐れがあります。

金めっきによる安定した接触特性は、こうした高精度が求められる用途での信頼性の確保にも役立っています。

酸化を防ぎ品質を長期間維持するため

プリント基板に金めっきを施すもう一つの大きな目的は、プリント基板表面の酸化や腐食を防ぐことです。

プリント基板に用いられることの多い銅は空気中の酸素や湿度の影響を受けやすく、時間の経過とともに酸化皮膜が形成されやすい金属です。この酸化皮膜は導電性を低下させ、プリント基板の品質の劣化の原因となります。

金は上記で解説したとおり、酸化皮膜をほとんど形成しないため、めっきとして表面処理に用いれば銅配線を外部環境から保護できます。想定される使用期間が長い場合でも表面の状態を安定させられ、製造から実装までの品質のばらつきを抑えることも可能です。

はんだ付けや実装の信頼性を向上させるため

プリント基板への金めっきは、はんだ付け工程の安定化にも大きく役立っています。金めっきの表面は平滑性が高く、はんだが均一に濡れ広がりやすいため、接合のクオリティのばらつきを抑えやすいというメリットがあります。

また、金表面は実装までに時間が経過した場合でも酸化皮膜が形成されにくく、はんだ付け性が低下しにくい点も特長です。接合不良の発生を防ぎ、安定したはんだ接合を実現できるでしょう。

結果として、実装の品質の向上だけでなく、長期的な製品の信頼性の確保にもつながります。

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プリント基板への金めっきの種類

プリント基板への金めっきは、処理方法の違いによって大きく分けて無電解金めっきと電解金めっきの二種類にわけられます。それぞれ原理や特性が異なります。

両者はどちらが優れている、劣っているというわけではありません。酸化防止を主な目的とする場合は無電解金めっき、機械的強度や耐久性が必要な場合は電解金めっきなど、用途や要求仕様に応じて使い分ける必要があります。

ここでは、無電解金めっき、電解金めっきのそれぞれの特長を詳しく見ていきましょう。

無電解金めっきの特徴

無電解金めっきは、化学反応を利用して金の皮膜を形成する表面処理です。

電流を使用せずに処理するため、プリント基板全体に均一な皮膜を形成できる点が大きな特徴です。複雑な形状や微細なパターンにも、厚みのムラがないめっきを施せます。

無電解金めっきは薄膜の処理に適しており、プリント基板では金フラッシュと呼ばれる酸化防止処理として広く採用されています。薄膜であるため、金価格が高騰している状況でも使用量を抑えられ、コスト削減につなげることも可能です。

ただし、無電解金めっきで形成される金層は比較的薄いため、耐摩耗性や耐久性が求められる用途には適していません。

電解金めっきの特徴

電解金めっきは、電流を利用して金皮膜を形成するめっき方法です。電流密度や処理時間を制御することで、膜厚を管理できる点が大きな特徴です。処理速度も比較的早く、量産性に優れています。

電解金めっきは無電解金めっきと比べて厚い皮膜を形成しやすいため、機械的強度や耐久性を高めたい製品の表面処理に優れています。

一方、電解金めっきは膜厚の均一性がやや劣るのがデメリットです。電流密度の分布によって、複雑な形状では均一なめっきが難しいです。このため、プリント基板全面への処理よりも、部分的なめっきや端子部分へのめっきとして用いられることが多くなります。

プリント基板への金めっきで注意すべきポイント

プリント基板への金めっきには多くのメリットがある一方で、設計や選定時に考慮すべき注意点も存在します。適切な表面処理を選ぶためには、メリットだけでなく制約や条件も正しく理解しておくことが大切です。

  • コスト面

金は金属のなかでも高価なため、表面処理におけるコストも高くなります。コストの制約が厳しい場合は、金めっきの使用範囲を必要最小限の接点部分や端子部分に限定する必要があります。

  • 下地処理

金めっきは、ニッケルめっきを下地として施すのが一般的です。下地処理が不十分な場合、母材の銅などが金層まで拡散し、接触抵抗の増加や変色を引き起こす可能性があります。特に高温環境で使用されるプリント基板などでは、下地処理の品質管理が信頼性に直結します。

  • ほかの表面処理との比較

金めっきは万能ではなく、用途によってはほかの表面処理のほうが適している場合があります。たとえば、コストを最優先する場合は、すずめっきなどの代替処理が選択されることも少なくありません。

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塚田理研はプリント基板へのめっきに対応しています

プリント基板への金めっきは、製品の信頼性を左右する重要な工程です。塚田理研では、長年の実績と技術的知見をもとに、お客様の要件に合わせためっき処理のご提案が可能です。

当社では、プリント基板への金めっきをはじめ、各種表面処理に対応しております。無電解金めっき(金フラッシュ)、電解金めっき、部分金めっきなど、多様な処理方法がございます。

プリント基板の表面処理に関するご相談や、金めっきの適用についてのお問い合わせは、お気軽に以下フォームよりご連絡ください。技術スタッフが丁寧に対応させていただきます。

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