
金めっきの手法別の種類
金めっきの種類は、まず、手法によって電解金めっきと無電解金めっきの2つに大別されます。どちらも基材の表面に本物の金の被膜を析出する技術ですが、その原理や特性に大きな違いがあります。
電解金めっきは、外部電源を使って金イオンを基材表面に還元・析出させる種類です。一方、無電解金めっきは化学反応を利用するため、電気を通さない素材にも対応できます。
選定の際は、対象の用途や形状、処理精度などの条件に応じて、最適な手法を選ぶことが大切です。ここでは、それぞれの金めっきの種類についてより詳しく解説していきます。
手法別の種類①電解金めっき
電解金めっきは、金属の対象を電解液に浸し、外部電源を用いて金イオンを表面に還元・析出させる手法です。膜厚は電流密度や通電時間で調整でき、厚みを出しやすいのが特長です。
この種類の方法は処理速度が速いため、大量生産にも適しています。さらに、無電解法に比べて処理コストを抑えやすい点もメリットです。
主な用途としては、コネクタ端子、プリント基板のパッド部、リードフレームなどが挙げられます。これらの部位では、導電性や耐食性を確保するために一定の膜厚が求められることが多く、厚膜化しやすく処理速度が速い電解金めっきが適しています。
ただし、電流分布の影響を受けるため、形状が複雑な部品では膜厚の均一性に課題があり、プラスチックなどの絶縁体には処理ができない点には注意が必要です。
手法別の種類②無電解金めっき
無電解金めっきは、電気を使わず化学反応によって金イオンを還元・析出させる種類です。電解金めっきと異なり、微細な箇所まで均一に皮膜を析出できるため、複雑な形状の製品への処理に適した種類です。
化学的な還元反応によって皮膜が形成されるため、通電性のないプラスチックなどの素材も均一に処理できます。
とくにプリント基板の分野では、無電解ニッケル/金(ENIG)や無電解ニッケル/パラジウム/金(ENEPIG)などが広く使われています。これらははんだ付け性や耐食性、ワイヤーボンディング適性など、多様な性能を両立できる点がメリットです。
めっき速度が遅くコストが高めという課題はあるものの、精密性と安定性を求める用途には必要不可欠な種類といえるでしょう。

金めっきの材質別の種類
金めっきは、使用される金属の種類によって純金めっきと合金めっきに大別されます。これらの種類は、それぞれ性能やコスト、用途に応じて使い分けられます。
純金めっきは、金本来の高い耐食性や電気伝導性をそのまま活かすことができる反面、柔らかく摩耗しやすい種類です。一方、合金めっきは金にほかの金属元素を加えることで、硬度や耐摩耗性などを高められ、耐久性が求められる製品にも適しています。
使用目的や求められる性能によってどちらの種類を選定すべきかは異なります。ここでは、それぞれの材質による金めっきの特徴と用途を詳しく見ていきましょう。
材質別の種類①純金めっき
純金めっきは、金のみを使用して形成された金めっきの種類です。優れた耐食性・耐酸化性を持ち、電気伝導性が非常に高いため、導電性が重要視される部品に適しています。
はんだ濡れ性が良好であることから、はんだ付け工程を伴う基板などの電子部品にも適しています。また、生体適合性が高くアレルギーが起こりにくいため、医療分野や装飾品に用いられることも多いです。
ただし、柔らかく摩耗しやすいという特性があり、コネクタなど摩擦の多い部位には不向きです。また、金の使用量が多いため、コストも高くなる傾向にあります。
材質別の種類②合金めっき
合金めっきは、金にほかの金属(コバルト、ニッケル、銅など)を加えることで、純金にはない機械的特性を持たせた表面処理の種類です。
主な目的は、硬度や耐摩耗性の向上、コスト削減などであり、機能性と経済性のバランスが取れた選択肢といえます。
代表的な種類として、金-コバルト合金は高い硬度を持ち、摺動や摩擦を伴う部品に適しています。金-ニッケル合金は色調がやや白いのが特長で、密着性に優れるためコネクタ類に用いられることも多いです。金-銅合金は、コストを抑えながら一定の導電性を確保できるのが特徴です。

金めっきの用途別の種類
金めっきはその用途に応じて、工業用と加飾用の二つの種類に大別されます。目的の違いにより、処理の仕様や品質の基準、必要な膜厚などが大きく異なります。
工業用金めっきは、主に電気特性や耐食性などの機能を重視した処理です。一方、加飾用金めっきは、美観や高級感の演出を目的としており、ジュエリーや装飾品などに用いられるのが一般的です。
どちらの用途でも金による表面処理という共通の技術を活用しますが、その種類と要件は大きく異なります。ここでは、それぞれの用途ごとの特性や代表的な適用事例について詳しく解説します。
用途別の種類①工業用金めっき
工業用金めっきは、主に電子機器や通信機器などで求められる機能性を目的とした加工の種類です。代表的な機能には、電気接点の信頼性の確保、はんだ付け性の向上、優れた耐食性などが挙げられます。
とくにプリント基板では、ENIGやENEPIGといった無電解金めっきの処理が広く採用されています。はんだ接合性に優れ、高密度な配線のプリント基板にも適用できることから、電子部品の実装に広く用いられている技術です。
工業用途では品質管理が非常に重要であり、膜厚の均一性、ピンホールの有無、密着性などを厳しく検査する体制が求められます。安定した性能を確保するためには、処理の種類だけでなく管理体制の整った業者選びが大切です。
塚田理研では、プリント基板などへの金めっきの実績が多数ございます。高精度の表面処理だけでなく、最新の測定機器を用いた検査体制も整っておりますので、信頼性が求められる金めっき加工も安心してお任せください。
基板へのめっきについては、以下の技術ページもぜひご覧ください。
塚田理研の基板めっきの特長はこちら>
用途別の種類②加飾用金めっき
加飾用金めっきは、美観と高級感の演出を主な目的とした表面処理です。本物の金特有の美しい光沢と変色しにくい特性を活かし、製品の付加価値を高めます。
主な用途は、自動車のドアハンドルやエンブレム、電化製品の取っ手部分、アクセサリー・宝飾品、建築金物などです。
プラスチック部品は、金属部品と比べて軽量で低コストですが、金めっきを施すことで金属のような高級感を付与できます。そのため、自動車の内装部品や家電製品の外装部品、装飾部品などに多く用いられています。
加飾用の金めっきは色調のバリエーションも豊富です。純度99%の本格的なゴールドを再現できるめっきや、純度を落としたカッパー系のローズゴールドめっきなど、金の純度によってもさまざまな色合いを実現できます。
塚田理研では、基板へのめっきだけでなく加飾用の金めっきにも対応しています。50色以上の豊富な色調を取り揃えており、難めっき材の処理も可能です。
当社の加飾用めっきについては、以下のページもご覧ください。
塚田理研の加飾めっきの特長はこちら>

塚田理研はさまざまな種類の金めっきをご用意しています
金めっきと一口にいっても、手法や材質、用途などによって、最適な種類は異なります。対象の製品の使用用途や求められる要件などに応じて、適切な金めっきを選ぶことが大切です。
塚田理研は、基板への金めっきのラインナップが多数ございます。対象の用途によっては、ニッケル-金(Ni-Au)、ニッケル-パラジウム-金(Ni-Pd-Au)など、複数の金属を組み合わせることも可能です。
基板においては、パッケージ基板、モジュール基板、フレキシブル基板などの金めっきに対応しておりますので、金めっきの依頼先をお探しの事業者様は、以下よりご相談ください。
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