基板への金めっきが腐食する原因は?対処法や耐久性を高める対策を解説

基板 金メッキ 腐食 基板の画像

基板への金めっきは腐食しない

基板への金めっきが腐食する可能性は低いです。そもそも金は化学的に極めて安定した貴金属であり、酸やアルカリに対する耐食性が高く、通常の環境では腐食しないのが特長です。

一方で、特定の条件下では、金めっき層の下地の金属で劣化や腐食が進行するケースがあります。このような状態は、外観上金めっきが腐食したように見えることがあります。

下地の劣化や腐食が進行すると、導電性パッドや配線パターンの表面状態が悪化し、接触抵抗の増加や電気信号の伝達不良を引き起こすこともあるでしょう。また、腐食生成物が基板表面に広がることで、隣接する回路パターン間の絶縁性が低下し、絶縁不良やショートのリスクが高まります。

さらに、劣化が進行して金めっき層や下地層の剥離が生じると、銅配線層が露出します。銅は金と比べて腐食しやすいため、ここから腐食が連鎖的に進行し、断線や回路機能の喪失といった深刻な不具合につながるかもしれません。

基板への金めっきが腐食して見える原因

上記のとおり、金めっきを施した基板は、本来であれば高い耐食性を備えています。

ところが実際の製造現場では、基板に腐食が見られるケースが少なくありません。その原因は大きく分けて、製造工程の問題、基板の材料・構造上の問題、そして使用環境に起因する要因の三つに分類できます。

とりわけ注意が必要なのは、金めっきとの界面や皮膜中のピンホールを起点として、下地や素地の腐食が進行する点です。基板に施された金めっきの耐食性を過信すると、思わぬトラブルにつながりかねません。

以下では、基板に施した金めっきが腐食して見える主な原因を三つの観点から詳しく解説します。

下地めっき(ニッケルなど)の欠陥

基板に施した金めっきが腐食したように見える原因の一つが、ニッケルなどの下地めっきの不良です。

下地によく使われる無電解ニッケルめっきでは、浴のpHが適正範囲から逸脱すると、皮膜中のリン含有率が不均一になり、局所的な電位差が生まれます。この電位差がガルバニック腐食を促進し、業界で「ブラックパッド」と呼ばれる接合不良・腐食現象を引き起こします。

さらに、脱脂や酸洗いといった前処理が不十分だと密着不良が発生し、金めっきとニッケル層の界面から基板の腐食が進行するリスクもあるでしょう。

めっきの厚さ不足・皮膜の不均一性

基板に施した金めっき層の厚さが不十分だと、ピンホールと呼ばれる微細な孔が発生することがあります。このピンホールが腐食性ガスや水分の侵入経路となり、下地や素地の腐食を引き起こします。

金めっきが薄いとピンホールが発生しやすく、厚いと発生しにくくなるのが一般的です。しかし、厚膜の金めっきはコストが増加する点には注意が必要です。

また、めっき厚が不均一だと、薄い箇所から局部的に下地や素地の腐食が進む可能性があります。電流密度がばらついていたり、めっき時間が不適切だったりすると皮膜が不均一になりやすいため、表面処理の条件を徹底して管理することが大切です。

使用・保管環境による化学的影響

金めっきを施す段階で管理を徹底していた基板でも、使用・保管環境が不適切であれば下地や素地の腐食は進行します。

とくに影響が大きいのが、高温高湿の環境です。温度と湿度が高い条件下では電気化学反応が加速し、基板上の金めっき皮膜の微小な欠陥部分から内部の腐食が急速に広がります。

腐食性ガスの存在も、大きな要因の一つです。硫化水素や塩素といったガスは、ピンホールを通じて下地や素地を侵食し、基板全体の信頼性を損ないます。

さらに、基板上で異種金属が接触する箇所で発生するガルバニック腐食にも注意が必要です。電位が異なる金属同士が湿度の高い環境で接触すると、電位の低い金属側が優先的に溶解し、局部的な腐食が進行します。

なお、塚田理研はプリント基板への金めっきの実績が多数ございます。下地から徹底して管理し、高品質な表面処理を提供することが可能です。金めっきに関する課題は、塚田理研へお問い合わせください。

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基板への金めっきを腐食させないための対処法

基板に施した金めっきの下地や素地の腐食を防ぐには、製造段階での品質の確保、用途に応じた仕様の検討、そして保管・使用環境の管理という三つのアプローチを組み合わせることが大切です。

腐食は複合的な要因で発生するため、いずれか一つの対策だけでは十分な効果が得られないケースが大半です。なかでも製造工程における品質管理の徹底は、基板の腐食リスクを根本から低減できる費用対効果の高い手段といえるでしょう。

以下では、基板へのめっきの腐食を防ぐ具体的な対処法を三つの観点から解説します。

下地めっきの品質管理を徹底する

下地めっきの欠陥は、腐食の大きな原因です。そのため、下地めっき処理の品質管理はとくに重要な対策といえるでしょう。

基板への下地めっきの工程でまず徹底すべきは、めっき液のpH管理です。定期的なpH測定と調整を怠らないことが、下地めっきの腐食防止には大切です。

また、前処理の工程で脱脂や酸洗いが不十分なままめっきを施すと、密着不良による腐食リスクが高まります。めっき後の洗浄も同様で、残留薬品が基板に残っていると腐食につながります。下地めっきの前後は、洗浄の工程も徹底するようにしましょう。

用途に応じた適切な金めっき仕様を選定する

基板への金めっきの下地や素地の腐食を防ぐには、用途や求められる信頼性のレベルに応じた適切な仕様を選ぶことが大切です。

腐食リスクを低減するための主な選択肢として、ENEPIG(無電解ニッケル/パラジウム/金めっき)の採用、還元金めっきの採用、封孔処理の追加、適切な金めっき厚の確保などがあります。

とくにENEPIGは、ニッケル層と金層の間にパラジウム層を挟むことで置換反応による過剰腐食を防ぎ、ブラックパッドのリスクを大幅に低減できます。

封孔処理は、ピンホールを塞いで腐食性ガスの侵入を防ぐため、薄膜の金めっきでも高い耐食性を実現することが可能です。

仕様の選定においては、コストと信頼性のバランスを考慮することも大切です。高い信頼性が求められる車載用基板や医療機器などでは、ENEPIGや封孔処理の採用を検討するといいでしょう。

製品の用途、使用環境、期待寿命、予算などを総合的に判断し、最適な仕様を選ぶことが大切です。

保管・使用環境を管理する

製造段階で高品質な金めっきを施せていても、保管・使用環境の管理が不適切であれば基板の腐食リスクは残ります。

保管時にまず押さえるべきは、温湿度管理です。真空パックやバリア性の高い防湿包装材を活用すれば、保管中の結露や吸湿による腐食を抑制できます。

基板の保管期間にも注意しましょう。とくに薄膜の金めっきは、ピンホールや微小な欠陥の影響を受けやすく、長期保管中に湿気や腐食性ガスが下地に到達して腐食が進行するおそれがあります。

使用環境での対策としては、異種金属の接触を回避する設計や、防湿コーティングなどが効果的です。また、輸送時には防湿梱包を徹底し、結露対策をすることも検討しましょう。

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基板への腐食しない金めっきは塚田理研まで

基板への金めっきが腐食することは基本的にはありませんが、金めっきが薄かったり、ピンホールが多かったりすると下地や素地から腐食が進む可能性があります。

このような事態を防ぎ、より信頼性の高い金めっきを基板に施すためには、実績のある表面処理会社へ依頼することが大切です。

塚田理研では、基板への金めっきの実績が多数あり、下地や素地を露出させない高品質な金めっきをご提供しています。めっき処理は厳しい品質管理をおこない、自動制御によって、高精度な処理を安定させることに成功いたしました。

下地の影響を受けない高品質な基板への金めっきをお求めの事業者様は、以下フォームよりお問い合わせください。

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