基板表面処理における金フラッシュの効果やめっき時の注意点を解説

基板表面処理 金フラッシュ 基板の画像

基板表面処理における金フラッシュの基本的な仕組み

金フラッシュは、基板表面処理の一つで、基材表面の対象箇所に極薄の金めっき層を形成する工程です。化学反応を利用した無電解めっきにより、極めて薄い金層を形成できる点が特徴です。

一般的な金フラッシュは、0.25μm未満(多くの場合0.01μm~0.07μm以下)という極薄の皮膜を無電解めっきによって析出させます。短時間で瞬時に薄い皮膜を形成する工程が、「フラッシュ」という名称の由来となっています。

無電解めっきは化学反応を用いて皮膜を析出させるため、基板全体に均一なめっきを施すことが可能です。表面の平滑度が高く仕上がるため、微細なパッドや高密度の実装が求められる基板への表面処理に広く採用されています。

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基板表面処理に金フラッシュを用いるメリット

基板表面処理には、金フラッシュのほかすずめっきやフラックス、はんだによるコーティングなどさまざまな種類があります。対象の使用用途や使用される環境に応じて、適切な工法を選ぶことが大切です。

基板表面処理のなかでも金フラッシュが広く採用される背景には、金の特性や皮膜の薄さに基づいたメリットがあります。

ここでは、金フラッシュのメリットを、基板表面処理の実績が多数ある塚田理研が解説いたします。0.01~0.07μmの極薄の金フラッシュの処理が可能なメーカーをお探しの事業者様は、塚田理研へご相談ください。

化学的に安定しており、酸化を抑制できる

プリント基板の製造において、基板表面の酸化防止は重要な課題です。酸化が進むと電気的接続性が低下し、はんだ付け性も悪化します。

とくに高温多湿環境にさらされる可能性がある場合、基板表面処理による酸化防止は、信頼性の確保のためには欠かせません。

金は化学的に非常に安定した貴金属で、空気中や一般的な環境下ではほとんど酸化や腐食が進行しません。金フラッシュは、その化学的安定性により、極薄の皮膜でありながら基板表面を酸化から保護し、はんだ付け性を維持することが可能です。

表面が平滑で実装性に優れている

金フラッシュは優れた実装性を持つため、基板表面処理によく用いられます。

金フラッシュは、無電解めっきによって化学反応で皮膜を均一に析出させる表面処理です。電流密度のばらつきにより膜厚が不均一になりやすい電解めっきと比べて、基板表面全体を滑らかで平坦に仕上げることが可能です。その結果、はんだが均一に濡れ広がりやすくなります。

また、金フラッシュを施した表面では酸化被膜がほとんど形成されないため、はんだが接合箇所にしっかり密着しやすいです。めっきしてからはんだ付けまでに一定の期間が空いた場合でも、表面状態が劣化しにくく作業がしやすい点もメリットです。

金使用量が少なくコストを抑えられる

金フラッシュは極薄の金の皮膜を形成する表面処理であり、一般的な金めっきと比較して金の使用量が大幅に少なく、材料コストを抑えることが可能です。

近年高騰が続く金を用いる基板表面処理のなかで、金フラッシュは有効な手段といえるでしょう。とくに大量生産や大型の基板の表面処理においては、コストの差が顕著に出やすいです。

ただし、コストが低いとはいえ、金フラッシュが万能なわけではありません。金フラッシュは酸化防止や平滑性が求められる用途では有効ですが、耐久性や機械的強度が必要な用途には適していないことも理解しておきましょう。

基板表面処理に金フラッシュを用いる際の注意点

金フラッシュには多くのメリットがある一方で、その特性上、設計や用途選定において注意すべきポイントも存在します。とくに、極薄の金の皮膜であることから生じる制約を正しく把握しておくことが大切です。

ここでは、金フラッシュを採用する前に理解しておきたい、金フラッシュのデメリットを解説します。基板の使用環境や使用用途に応じて、部分的に金フラッシュを採用する、別の金属のめっきを施すなどの対策を取り入れることもおすすめです。

耐摩耗性・耐久性が低い

金フラッシュの皮膜は0.01μm~0.07μm程度と極めて薄いため、機械的な摩耗や接触に対する耐久性が低いという弱点があります。

たとえば、コネクタの接点部分のように繰り返し抜き差しがおこなわれる用途や、接触プローブによる検査が頻繁におこなわれる部位では、金フラッシュの薄膜が早期に摩耗してしまう可能性があります。

金フラッシュは、実装時の一時的な保護や、接触回数が限定的な用途に適した処理であることを理解しておきましょう。

ほかの金属と比べるとコストが高い

金フラッシュは、皮膜が非常に薄いため金の使用量が少なく、相対的には低コストな表面処理です。しかし一方で、錫めっきや銀めっき、OSP処理など、ほかの表面処理と比較すると、依然としてコストが高い点には注意が必要です。

金という貴金属を使用する以上、材料単価そのものが高く、どうしても国際相場の影響を受けやすくなってしまいます。さらに、金フラッシュは多くの場合、無電解ニッケルなどの下地処理を必要とし、工程数や管理項目が増えることから、薬品管理や設備維持にかかるコストも加算されます。

そのため、一般的な金めっきよりはコストを抑えられるものの、ほかの基板表面処理と比べると割高になる可能性もあることを正しく理解し、要求性能や用途に見合った採用可否の判断が必要です。

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塚田理研では基板表面処理への金フラッシュに対応しています

基板表面処理において、金フラッシュは、酸化防止や実装性の向上などを目的として採用されることが多いです。処理時間の短縮や金めっきにおけるコストの削減などに役立ちますが、一方で耐摩耗性が低い、ほかの基板表面処理よりはコストが高くなる可能性があるなどの注意点も理解しておく必要があります。

塚田理研では、基板への金フラッシュに対応しております。基板の状態や想定される使用環境、要求される仕様などに応じて、0.01~0.07μm程度まで、最適な膜厚をご提案させていただくことも可能です。

基板表面処理に関する課題は、以下フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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