クロムめっきの代替技術を解説!六価クロムを使わないRoHS指令対応の技術とは

クロムめっき 代替 加工事例

クロムめっきの代替が求められる背景とは

近年「クロムめっきの代替にはどのような技術がありますか?」というお問い合わせが増えており、クロムめっきの代替技術に対する関心が高まっています。

製造業界では環境への配慮の重要性が増しており、めっき業界も例外ではありません。さまざまな取り組みが進む中、注目を集めているのが「クロムめっきの代替技術」です。

クロムめっき 代替 処理の様子

クロムめっきは、優れた耐食性・硬度・美観など多くのメリットを持ち、さまざまな分野で広く使われてきました。

しかし、従来のクロムめっきには人体や環境に有害とされる「六価クロム」が使用されており、人や環境への影響が懸念されています。
クロムめっきそのものはRoHS指令などの規制の対象外ですが、今後、六価クロムの使用に関する規制は厳しくなることが予想されています。

このことからメーカー各社は、法令対応だけでなく環境への配慮という観点からも、六価クロムを使用しない代替技術への転換が進められています。
実際、自動車業界では2008年から六価クロムの使用を自主的に制限し、代替技術への切り替えを進めています。また、自動車産業だけでなく、その他の業界でも六価クロムを使わない動きは加速しています。

代表的なクロムめっきの代替技術(3種)

クロムめっきの代替として広く採用されている代表的な技術を3つご紹介します。
いずれも六価クロムを使わず、RoHS指令に対応しており、よく代替技術として検討されている技術です。

クロムめっき 代替 加工事例

(1)無電解ニッケルめっき
化学還元反応によってニッケル皮膜を形成する技術で、硬度、耐食性に優れた皮膜が得られます。
絶縁体にも適用可能で、複雑な形状、入り組んだ形状にも均一な膜厚で皮膜の形成が可能です。他の物質と共析する複合めっきも可能であり、耐摩耗性や潤滑性の向上も可能です。

(2)スズ-コバルト合金めっき
従来のクロムめっきと色味が似ていることから、装飾目的の製品において検討されることが多い技術です。バレルめっきも可能で、複雑な形状の小型部品を効率的に処理できます。
しかし、硬度や耐摩耗性は劣るため、用途によっては下地にニッケルめっきをつけるなどの対策が重要です。

(3)三価クロムめっき
従来のクロムめっきの代替技術として最も有力な技術です。従来技術と遜色ない外観性、機能性(耐食性、硬度など)があるため、代替技術として一般的に使用されています。
ただし、厚付けができないため、現在は装飾用途での使用が一般的です。

塚田理研は製品に要求する機能に最適なめっきをご提案します

塚田理研は、プラスチックへのめっきを専門としているめっきメーカーです。
長年にわたり培ってきためっきの技術と知見を活かし、製品ごとに求められる機能や使用環境に最適なめっきプロセスをご提案しています。

クロムめっきの代替として切り替えが拡大している三価クロムめっきはもちろん、スズ-コバルト合金めっきや無電解ニッケルめっきなど、各種処理に対応しています。

●三価クロムめっきの加工事例

クロムめっき 代替 三価クロムめっき 加工事例

さらに、従来の六価クロムめっきについても、安全管理の徹底と排水処理設備を整え、環境への配慮を行いながら処理を行っています。

塚田理研では、お客様の課題や目的を丁寧に伺いながら、最適なめっきプロセスを選定し、試作から量産まで対応しています。クロムめっきの代替について課題がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。蓄積されたノウハウをもとに、最適なご提案をいたします。

めっきだけではない!六価クロムフリーのエッチング工法も提供可能

プラスチックめっきの工程において、六価クロムは2つの工程で使用されてきました。ひとつめは表層の「クロムめっき」、もうひとつは前処理の「エッチング工程」です。

エッチング工程とはめっきの密着性を高めるため、基材の表面を薬剤で粗化する工程ですが、ここで六価クロムを含む薬品が使われています。したがって、表層のクロムめっきのみを代替しても、六価クロムを完全に排除したとは言い難いのが実情です。

当社では、この前処理においても過マンガン酸エッチング、UV照射、オゾン水など、六価クロムを使わないエッチング工法を開発し、提供をしております。

全工程においてクロムフリーの徹底が実現できますので、環境への配慮を重視する製品や、より高い環境基準を求められる欧州市場向け製品などに適しています。

また、業界に先駆けて全自動クロムフリーめっきライン「Eライン」を導入しており、前処理からめっきまで安定した品質で生産を行うことが可能です。(量産対応可)

クロムめっき 代替 Eライン クロムフリーライン 低環境負荷 クロムフリー

設備の詳細はこちら>>

六価クロムを使わないプラスチックめっき技術をお探しでしたら、ぜひ当社までご相談ください。製品に最適なプロセスをご提案し、従来技術と遜色ない高品質なめっきをご提供いたします。

プラスチックへのクロムめっきに関するご相談は塚田理研まで

環境規制の強化やサステナブルな製品開発が求められる中、クロムめっきの代替技術の採用は選択から新たなスタンダードへと変わりつつあります。

今回ご紹介した代替技術は、現在多くの分野で使われており、製品の機能やデザイン性を維持しながら、環境負荷の低減に貢献しています。

塚田理研では、長年培った技術と経験を活かし、製品の用途やご要望に応じた最適な代替技術をご提案しています。クロムフリーの前処理や全自動ライン(Eライン)による安定した生産体制も整えており、試作から量産までワンストップ対応が可能です。

「六価クロムを使わないめっきへ移行したい」「代替技術の導入に不安がある」といったご相談も承っております。試作にも対応しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

【お問い合わせ先】
本社:0265-82-3256
東京営業所:042-444-1287
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